綾野ファーム

椎葉村はじめての夜は、綾野ファームで過ごすことになった。
民家の屋根裏部屋を改装したという、できたてホヤホヤ感の漂うおしゃれな民泊だ。

家の構造を保つため、梁はいじらず、そのままむき出しで、レトロ・モダンにずっしりとした佇まいを醸し出している。

素人目でみても、年代物の立派な梁は重厚感があり、厳かとさえいえるような存在感を放っている。
釘を使わない木組みの技法で、梁と柱が接続されている。
本物の大工さんの仕事だな~と思っていると、柱の切り出しの面の模様に目がとまった。
興味深かったので手で触りつつのぞき込んでいたら、ファームのオーナー夫妻・勇さんと智代美さんが、「その模様、面白いでしょ。丸鋸という大きな丸いのこぎりで切るから、そういう跡が残るんですよ」と教えてくださった。

いや~。木の家は見ていても触っていても飽きない。
オーナーご夫妻の人柄も合わさって、ここにずっと住めたら幸せだろうな~と思わずにはいられない空間だ。

そんな木の温かいぬくもりに抱かれながら、ふかふかの布団に潜り込んで、眠りに落ちた。
明け方3時と6時にファームのニワトリがコケコッコーと時を告げるのも、ごく自然な流れの中のできごとだった。
昨夜は真っ暗で何も見えなかったが、夜が明けて屋根裏部屋の窓から見える風景は、やはりイメージどおりの真正性を湛えた日本の村の風景だ。

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