種を残す

なりわい塾の案内で、椎葉村でも最も標高の高いところにある向山日添で、人生の大、大、大先輩にあたるみえこさんのお家に伺って話を聞く機会をいただきました。家の目の前にある小さな畑では、地域の在来種のトウキビ、今はもうほとんど作っている家がないという芋類、小豆、ヒエや粟、蕎麦など、驚くほどたくさんの種類が少しづつ植えられていました。

美しい蕎麦

今年は雨が多くて不作だったそうですが、来年の種を残していくためにも、できるかぎり作り続けるとのこと。伝統の基盤にある「種」を残していくのは当たり前のことではなく、自覚的な努力によって支えられているのだと知りました。

みえこさんの話し方は明瞭で、アクセントはむしろ北関東地方のそれに似ており、東京出身(親は東北)の私にはとても親しみやすく感じました。そして驚いたのが、「いっくわい(一回)」「はちぐわつ(8月)」と発音していたことでした。日本語の「か(ka)」と「くわ(kwa)」の区別は現在ほとんど消失しつつある、と聞いたことがあり、直接耳にしたのは多分初めてです。

椎葉村の文化の基盤である「ことば」は、残すべきなのか、残すとしたらどのように残すのか、残すとはどういうことなのか、とも、考えさせられました。

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